フランチャイズ契約を結ぶことで本部の力を借りられるので、比較的失敗が少ないと言われています。しかし、中には失敗してしまうケースも存在します。
もし、経営がうまくいかない事態になってしまうと、自身が厳しい状況に置かれるだけでなく、通所している児童や保護者にも迷惑をかけてしまいます。
そこで今回は、放課後デイサービスのフランチャイズ加盟で失敗する原因や失敗しないためのポイントを紹介します。
放課後デイサービスのフランチャイズ加盟で失敗する原因
放課後デイサービスのフランチャイズ加盟で失敗する主な原因を3つ紹介します。
施設の周知が不十分
失敗する原因の一つ目は、施設の周知が十分にできていないということです。放課後デイサービスの市場は、年々拡大傾向にあります。
ビジネスチャンスを見出し、新規参入する企業も増えてきています。知らない間に近所に競合施設ができていたというケースも少なくありません。
宣伝力が欠けていると、競合に利用者を奪われてしまう可能性があります。開業したら、まずは宣伝広告に力を入れ、近隣住民に存在を知ってもらうように努めましょう。
また、放課後デイサービスは、自治体から公金を受け取れるので、価格競争はほとんどありません。そのため、競合と差別化を図るためには、療育の質を高めたり、独自の療育方法を開発したりするなどの工夫が求められます。
施設の周知と合わせて、施設ならではの取り組みをアピールし、利用者を増やすことが大切です。
人材確保ができていない
児童福祉業界は、人材の確保が難しいと言われています。社会問題として、保育士不足や教員不足が叫ばれていますが、放課後デイサービスでも例外ではありません。
放課後デイサービスには、預かる児童に対して必要なスタッフの定員が決められています。定員を満たさない状態が続くと、施設運営ができなくなってしまうでしょう。
とくに、資格保有者の採用活動は困難を極めます。ただし、資格保有者の人数が増えるとその分人件費が高くなるので、現場の体制と経費とのバランスも考慮する必要があります。
フランチャイズのロイヤリティによって経営が圧迫される
放課後デイサービスのフランチャイズに加盟する場合、本部にロイヤリティを支払う必要があります。しかし、放課後デイサービスの運営は、店舗ごとの利益に一定の上限が見られることがほとんどです。
そのため、ロイヤリティが事業の利益を圧迫してしまい、運営が立ち行かなくなるケースがあります。このような事態を防ぐためには、費用対効果を常に検証し、適切な経費管理を心がけましょう。
放課後デイサービスのフランチャイズ加盟で失敗しないためのコツ
放課後デイサービスのフランチャイズ加盟で失敗しないためのコツを紹介します。
労働条件の改善
施設を運営する上で、従業員の満足度を高めることは非常に重要です。スタッフが安心して働き続けられる環境を整えることで、定着率がアップします。
従業員の定着率が上がれば、効率的な業務運営はもちろん、人材採用にかかる経費を削減できます。具体的な内容としては、スタッフが上司に気軽に相談できる環境づくりや不要な会議の削減、教育制度の充実などが挙げられます。
営業戦略の見直し
放課後デイサービスの運営につまずいた際には、まずは事業の基盤となる理念を見直してみましょう。その上で、営業戦略を練り直すことが大切です。
ターゲットを明確化することで、より効果的なサービスの拡充や広報活動が見えてきます。また、企業理念はスタッフ全員と共有し、一致団結して取り組むことで、よりサービスの質を向上できます。
その上で、施設ならではの工夫や特徴を大々的に宣伝すると良いでしょう。放課後デイサービスは、価格での勝負が難しいので、サービスの質で差別化を図る必要があります。
「ここに通いたい」「ここに通わせたい」と思っていただけるような療育方法を検討してみましょう。
児童ごとに適切なアプローチ
放課後デイサービスの運営では、児童一人ひとりに合わせた適切な療育プログラムを組むことが大切です。フランチャイズ本部によっては集団指導に注力しているところもありますが、実際の現場ではうまくいかないこともあります。
なぜなら、児童ごとに発達の速度は大きく異なるからです。また、保護者にとっても集団療育だけでなく、個別にフォローしてくれる事業所は信頼できます。
集団指導を行う中でも児童に対してどのようなアプローチを行っているのかを懇切丁寧に説明できれば、来所の可能性が高まります。保護者や児童の満足度を高めることで、稼働率が上がるので黒字転換につながります。
まとめ
今回は、放課後デイサービスのフランチャイズ加盟で失敗する原因や失敗しないためのポイントをいくつか紹介しました。放課後デイサービスは年々市場が拡大しており、新規参入者も増加傾向にあります。
フランチャイズに加盟することで本部の力を借りられるので、失敗しづらいとは言われていますが、中には失敗してしまう施設も存在します。失敗する主な原因は集客不足や従業員の確保ができていないことなどが挙げられます。
失敗しないためには、従業員の満足度を高め、定着率を向上させることが重要です。また、同業他社との差別化を図り、児童や保護者にアプローチするというのも効果的です。