ここからは、放課後等デイサービスの需要や動向をはじめ「フランチャイズ加盟のメリット・デメリット」「放課後等デイサービスフランチャイズ加盟先選びのポイント」などについて詳しく解説していきます。ぜひチェックしてみてください。
放課後等デイサービスの業界動向について

これから放課後等デイサービスをスタートさせるうえでまず把握しなければならないのが、現在の放課後等デイサービスの需要と今後の動向についてです。需要を把握していないと求められるサービスを提供する事ができず、事業に失敗してしまう可能性もあります。ここではそんな放課後等デイサービスの業界動向をご紹介していくので、ぜひチェックしてみてください。
放課後等デイサービスの需要
放課後等デイサービスは、冒頭でもご紹介したように支援を必要とする障がいのある子どもや発達に特性のある子どものための福祉サービスです。近年ではさまざまな理由から放課後等デイサービスの需要が高まっており、その需要に伴い参入する民間企業が増えています。
需要が高まっている背景のひとつとして、障害児生徒数の増加が挙げられます。言語障害や情緒障害、弱視や難聴といった診断をされる子どもがいるなかで、とくに増えているのが自閉症などの発達障害の子どもです。これは90年代頃までは障害と認識されず、適切な指導を受けられなかったという経緯があり、近年になって正しく診断されるようになったのが増加の理由となっています。
また共働き世帯が増えていることで、家庭でのサポートで補えない範囲を放課後等デイサービスに求めるご家庭も増えています。こういったことから放課後等デイサービスを利用したい保護者は増えており、それに応えるために事業所の数も増えているのです。
放課後等デイサービスの今後の動向について
放課後等デイサービスは2012年に児童福祉法が改正されたのをきっかけに多くの民間事業が参入し、一般的な施設数が一気に増加しました。現在も放課後等デイサービスの需要は伸び続けていますが、2012年の出だしの頃と比べると競合が増え続けています。
今後も需要の高い事業ではありますが、事業所が多いことから、一般的な放課後等デイサービスでただ施設をオープンするだけでは、利用者の確保が難しくなっているのも現状です。生き残っていくためには、しっかりと利用者のニーズを把握して、それに応えられる品質のサービスを提供することが求められています。
だからこそ、安定した経営をするためには速度感を持って経営ノウハウを確立する必要があり、それを叶えてくれるのがフランチャイズ加盟なのです。独自性のあるカリキュラムを持つ加盟先であれば、ほかの施設との差別化も図れるので成功できる可能性も高くなるでしょう。
ポイント
- 放課後等デイサービスは需要が高いが競合も多い業界
- 独自性のあるカリキュラムを持つフランチャイズ加盟先を選ぶのがおすすめ
放課後等デイサービスの収益について

放課後等デイサービスで開業する前に、収益についてもしっかりと把握しておかなければなりません。ここでは収益形態について、収益モデルの解説、開業費用について詳しくご紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
収益形態について
放課後等デイサービスの利用料金は、利用者がすべて支払っているのではありません。医療保険と同じように9割を国が負担し、残りの1割を利用者が負担することになっています。
しかし障害福祉サービスの定率負担は所得に応じて負担上限月額が設定されており、ひと月に利用したサービスの量に関わらずそれ以上の負担は生じません。負担額の上限月額は下記のようになっています。
生活保護・市民税非課税世帯:0円
年収890万円までの世帯:4,600円
年収890万円上の世帯:3万7,200円
このように利用者は少ない負担で放課後等デイサービスを利用できるので、利用料金の未納や滞納が起こりにくいという特徴もあります。また厚生労働省が発表している「令和2年障害福祉サービス等経営実態調査結果」によると、障害福祉事業活動全体の収支差が171万8,000円であるのに対し、放課後等デイサービスの施設あたりの収支差は378万5,000円となっています。
このことから福祉事業全体で考えると、放課後等デイサービスは比較的収益が上げやすい儲かる事業であるということがわかります。
収益モデルの解説
続いて放課後等デイサービスフランチャイズ加盟をして運営した場合の、実際の収益モデルを見ていきましょう。下記は正社員4名、パート1名で運営する場合で営業時間が平日10時~19時、土日・長期休暇等で9時~18時の場合です。
売上高:約300万円
人件費:約140万円
賃料:約30万円
水道光熱費:約3万円
減価償却費:約4万円
ロイヤリティ:売上の10%
その他経費:約30万円
この場合営業利益は約78万円、年間営業利益は約936万円となり、安定した収入が得られることがわかります。もちろんオープン直後は稼働率が低いことから利益も低くなることやマイナスになることが考えられますが、おおむね7か月程度で黒字になり、2年目からは稼働率が90%以上での運営も可能となっています。
もちろん加盟するフランチャイズによってロイヤリティなどの費用は変わるので、これはあくまでも一例となりますが、こういった経営ができるのが放課後等デイサービスのよいところだといえるでしょう。
開業費用について
放課後等デイサービスを開業するにあたり、気になるのは開業費用についてではないでしょうか。じつは放課後等デイサービスはほかの業種に比べると初期費用が少ない事業であり、運転資金を含めても 1,200万円程度といわれています。
経済産業省の「フランチャイズ・チェーン事業経営実態調査報告書」によると、フランチャイズ事業の平均開業資金は合計3,200万円程度であり、それに比べると大幅に抑えられることがわかります。金融機関から融資を受ける場合でも、自己資金が300万円前後あれば借り入れできることが多いので、独立開業を目指す方にも開業しやすい事業だといえます。
また開業後も9割以上の利用料金を公金でまかなうことになるので、売上の回収が困難になる心配がなく、利用者のニーズに応えられれば安定した収入を得られるので初期費用は2~3年で回収できることが多いです。
ポイント
- 放課後等デイサービスは利用者の負担が少ないため未納や滞納が起こりにくい
- 初期費用も比較的抑えられるので、新規参入しやすい業界でもある
放課後等デイサービス事業でフランチャイズ加盟するメリット・デメリット

放課後等デイサービス事業はフランチャイズ加盟するのがおすすめであることはすでにご紹介していますが、フランチャイズ開業することで得られるメリットについてもぜひチェックしておきましょう。
また開業後に後悔しないようにするためにも、フランチャイズ加盟することのデメリットについても理解しておく必要があります。ここではそんなメリットとデメリットを詳しくご紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
フランチャイズ加盟のメリット
まずはフランチャイズ加盟することで感じられるメリットをいくつかご紹介していきます。
ノウハウがなくても開業できる
放課後等デイサービス事業に限ったことではありませんが、フランチャイズ加盟の1番のメリットとも言えるのがノウハウ無しで開業できるということです。フランチャイズ本部ではノウハウや経営技術をマニュアル化しているので、店舗ビジネスを行ったことがない方や、その業界について未経験であっても問題なく開業できます。
開業までに勉強会や研修を行ったり、また開業後も定期的な研修や指導を行ったりしてくれるフランチャイズ本部も多いので、経営しながらノウハウを身に着けていくこともできるでしょう。もちろん多くのフランチャイズ店舗を成功させてきた実績もあるので、開業に関する幅広いサポートをしてくれます。
スピード感のある運営が可能
開業から安定的経営に至るまでのスピードが早いというのも、フランチャイズ加盟する大きなメリットです。通常法人化して不動産探しからおこない、店舗を建てたり商品開発を行ったりしていると、開業までに数年かかってしまうことは珍しくありません。
フランチャイズに加盟するとすでにご紹介したようにすでに経営ノウハウがあり、また放課後等デイサービスの運営に関しても最短で学ぶことができるので、開業までスムーズに進めることができるのです。事前に周辺のリサーチなどを行ってくれるフランチャイズ加盟先であれば、ニーズを把握して適切なサービスを提供することができるのでその分軌道に乗るスピードも早くなる可能性があるでしょう。
資金調達しやすい
過去に経営の実績やその業界での実績がない独立開業を目指す方にとって、大きな壁となるのが資金調達です。信用度が低いために、金融機関からの資金調達ができないこともあり、その分自己資金を多く用意しておかなければならないこともあるでしょう。
一方でフランチャイズ加盟すると加盟店の開業実績などを判断材料として融資を受けられる可能性が高く、資金調達でつまづくことがありません。また資金調達に必要な事業計画書の作成サポートなどを行ってくれるフランチャイズ加盟先もあり、初めて経営する方でも安心してスタートできるはずです。
知名度で集客しやすい
放課後等デイサービスは、保護者が大切な子どもを預ける場所です。そこで求められるのが安心感や信頼感であり、それを判断するのが知名度なのです。まったく名前の知らない放課後等デイサービスと知名度の高いフランチャイズ本部の加盟店では、断然後者を選ぶ方が多いでしょう。
安定した経営を行うためにはまず人を集めることが大前提なので、よく知られている名前を使って運営ができるのは心強く、安定収入の第一歩になるはずです。
フランチャイズ加盟のデメリット
このようにたくさんのメリットがある放課後等デイサービスのフランチャイズ加盟ですが、その反面でデメリットに感じられてしまう部分もあります。
加盟金とロイヤリティが発生する
フランチャイズ加盟をする際には、開業のノウハウや名前を利用したりするために加盟金やロイヤリティを支払う必要があります。とくにロイヤリティは毎月発生するものであり、売上に対して支払いの割合が決められていたり定額になっていたりとフランチャイズ本部によってその対応は異なります。
どちらも大きな出費となり、その支払いに追われて倒産する例も少なくありません。そのため加盟する前に利益をしっかりと得られて、無理なくロイヤリティを支払って行けるのかも判断することが大切です。
自由度が低い
フランチャイズ加盟する場合、本部の意向に従った運営をしていく必要があります。提供するサービスや営業時間、運営方針などを経営者が自由に決めることはできないので、そういった面で運営しにくさを感じてしまう方もいるかもしれません。自由に運営したい、自分が思うような運営をしたいという方はフランチャイズ加盟を考え直したほうがいいでしょう。
ポイント
- フランチャイズ加盟はノウハウや知名度を活かした安定経営がしやすい
- デメリットはあるがメリットの多い放課後等デイサービスのフランチャイズ加盟をぜひ検討しよう
独立開業しフランチャイズに加盟するとしたら、どんな点に不安を感じる? WEBアンケートで調査!
ここまで放課後等デイサービスやフランチャイズ加盟がおすすめな理由など、さまざまに解説させていただきましたが、中にはフランチャイズに加盟することに対して不安を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで今回は「独立開業しフランチャイズに加盟するとしたら、どんな点に不安を感じるのか」についてアンケート調査でみなさんに聞いてみました。どんな回答となったのか、詳細を見てみましょう。

第1位は「収益」で18%でした。フランチャイズに加盟すればオープン前に運営ノウハウをしっかり教えてもらえるため、運営開始直後からスムーズに事業を軌道に乗せることができるでしょう。また、オープン後も継続支援や研修が受けられるため、サービスの質を上げながら更なる収益アップも見込めます。自分一人で事業をはじめるよりフランチャイズに加盟したほうが、より短期間で収益を上げられ安心感のある経営ができるはずです。
第2位は「開業費用」で17%でした。店舗を借りるお金や設備費用、人件費、販促費など、開業時には多くのお金がかかりますが、フランチャイズに加盟して本部が用意した店舗などを利用することで、それらのコストを抑えることができます。無駄な開業費用を払って損をしたくない方にとっても、フランチャイズ加盟はおすすめです。
第3位は「集客」で16%でした。事業成功の鍵を握るのが集客といっても過言ではありませんが、どのように集客すればいいのかわからない方も多いのでは?フランチャイズに加盟すれば長年の知見に基づいた集客ノウハウを教えてもらえますし、チラシやパンフレット、ホームページなども用意してもらえます。集客方法がわからない方にとってもフランチャイズは心強い存在となってくれるでしょう。
「ロイヤリティ」も同じく16%でした。ロイヤリティを不安に感じる理由には、ロイヤリティの金額と提供される内容が見合ってないことがあげられます。フランチャイズ加盟前にシステムの内容やサポートの充実度をしっかり確認し、金額以上にメリットが多いことがわかればそのような不安を感じることもないでしょう。
アンケートの結果は以上となります。次の見出しでは、放課後等デイサービスのフランチャイズ本部の選び方について、さらに詳しくポイントを押さえてアドバイスさせていただきますので、ぜひ参考になさってください。
放課後等デイサービスのフランチャイズ本部の選び方

放課後等デイサービスのフランチャイズ加盟で開業を成功するためには、フランチャイズ本部選びが重要なポイントになります。知名度などでなんとなく決めてしまうと、経営がうまくいかなくなってしまう可能性もあるので慎重に選びましょう。ここでは放課後等デイサービスのフランチャイズ本部選びの際にチェックしたいポイントをご紹介していきます。
コンセプト
放課後等デイサービスはニーズが高い事業ではありますが、競合が多いことからほかの施設との差別化がされていないと思ったような集客ができない可能性があります。できるだけほかとは違うサービスや質のよいサービスを提供できるよう、フランチャイズ本部のコンセプトを確認しましょう。
たとえば利用している子どもたちがのびのびと自分を表現できたり、他者との関わりを学べるような指導をしたり、それを保護者と共有できるようなイベントを行っていたりという放課後等デイサービスなら魅力を感じてくれる保護者も多いはずです。
子どものためを考えていたり保護者のサポートをしたりということは大前提として、独自性のあるコンセプトを掲げているフランチャイズ本部を選びましょう。独自性があるとアピールや宣伝もしやすく、利用を検討する方の目にも止まりやすいです。
本部のサポート
初めて独立開業する方、また新たな事業に参入する方にとっては、安心して開業するためにも安定的な経営をするためにも本部のサポートは欠かせません。十分な研修を行ってくれること、また開業してからも定期的に担当者が経営に関するアドバイスをしてくれることで、ノウハウのない方でもしっかりと経営について学んでいくことができるはずです。
研修の内容やタイミングなどはフランチャイズ本部によって大きく異なるので、事前の説明会などでしっかり確認しておきましょう。また福祉事業以外の面でのサポートがあるフランチャイズ本部だと、より安心感があります。たとえば開業すると必要になる税務関連の業務などについて、士業者の紹介をしてくれるなどのサポートをしてくれると心強いでしょう。
サポートは開業前だけでなく開業後も続いていくものなので、適切な指導やサポートがあり、なにか困ったときには頼れる本部であることが大切です。
加盟料やロイヤリティ
加盟料やロイヤリティについても、フランチャイズ本部選びの際にチェックしなければならないポイントです。フランチャイズとして放課後等デイサービスの施設を開業するためには、加盟料やロイヤリティは必ず支払いが必要になります。ただし単純にそれが安いというだけで決めてしまうのはやめましょう。
加盟料は経営を続けて利益を上げていけばすぐに回収できるものでもあるので、そこまで金額を気にする必要はありません。フランチャイズ本部によって多少変わりますが、加盟料は本部ごとにそこまで大きな差はないです。加盟料が安い場合は含まれているサービスが少なかったり、別に支払う費用が発生する可能性もあるので注意が必要です。
またロイヤリティは毎月継続して支払うものなので、長い目で見るとフランチャイズ本部によって大きな差が生まれやすいポイントです。開業直後は大きな売上が期待できないので、できれば売上に対してロイヤリティが変動する方式の本部がおすすめです。またロイヤリティに上限を設けていると、利益が高くなったときにも安心です。
事業計画(売上や費用)の確認
安定した経営が実現できるのを具体的に確かめるためには、事業計画を確認することも大切です。フランチャイズ本部が出している数字が現実的なのかを調査し、売上に関してはできるだけ詳細な金額までチェックしましょう。
また運営に必要な費用や、想定している稼働率についても確認する必要があります。放課後等デイサービスは体調不良や家庭の事情などでキャンセルが出てしまうものでもあるので、基本的に稼働率が100%になることはなく多くの施設で80%前後を見込んで試算しています。
フランチャイズ本部によっては、それよりも高い稼働率で試算を出していることもあるので、稼働率が下がったときに売り上げがどうなるのかをしっかりと提示してくれるフランチャイズ本部を選びましょう。費用についてはとくに未経験では予想することが難しいので、本部が提示している内容をしっかりと確認して不安なく開業できるようにしておきましょう。
ポイント
- 独自性のあるコンセプトを提案しているフランチャイズ本部がおすすめ
- 放課後等デイサービスは差別化・経営ノウハウ確立のためフランチャイズ加盟がおすすめ
放課後等デイサービスは差別化・経営ノウハウ確立のためフランチャイズ加盟がおすすめ
これから放課後等デイサービスでの開業を目指しているのなら、経営ノウハウが確立されていることはもちろん、独自性がありほかの施設と差別化が図れるフランチャイズ本部を選ぶのがおすすめです。競合が増えているからこそ、コンセプトがしっかりとしていて子どもを1番に考えた運営ができる加盟先を見つけましょう。
需要が高まっていることから放課後等デイサービスのフランチャイズ本部も増えていますが、まずは気になるフランチャイズの資料を取り寄せたり説明会に参加したりしながら、慎重に加盟先を決めていってください。